南知多ゲストハウス『ほどほど』の程々な日々: さようなら甘えん坊。ありがとう金沢。

2013/03/07

さようなら甘えん坊。ありがとう金沢。



僕はずいぶんと甘えん坊の人間です。

去年の9月に「ゲストハウスをやってみたい」と思い立ち、菜々の協力の下、ゲストハウスの候補地を探しましていました。そんな中で、何人もの人から「君の出身は金沢だったよね?すごくいいところじゃないか。どうして金沢で開業しないの?」と言われ、そのたびに「いや~、金沢にはポンギーさんという全国でも有名な所をはじめ、すでに5件ほどのゲストハウスがすでにあるから、僕たち後発は厳しいですよ」と言って、会話をかわしていました。

なぜか、理由は分からなかったのですが、「金沢ではないどこか」と思っていました。

金沢は僕の故郷であると同時に、僕が大学時代にウツになって帰郷してから9年間、僕を育ててくれた場所です。ニートの状態でさんざん苦しんだ分、とても多くの人たちに助けてもらいました。その分、金沢にいつか恩返ししたいとずっと思っていました。

大好きだった金沢を離れたくなったのは一昨年のこと。ピースボートで世界一周をして帰ってきたとき、ふっと自分の居場所があるようでないような感覚にとらわれました。帰国後は起業したい!と言っていたのに、度胸が無いですね。職業訓練に通ったり、ハローワークで農業支援っぽい仕事でお給料をもらおうとしたり、先輩NPOに就職口を頼ったり。それが全部ダメになったとき、「金沢には居場所が無い。どこか他の場所に行きたい」という衝動に駆られました。

結局は、自立したいと言っておきながら、やさしい誰かに頼りたかったんです。

そして2年が経ち、今、僕は菜々という最良のパートナーと南知多という場所にたどり着きました。「ゲストハウスをやりたい!」とさんざん叫んでいながら、先月急に不安と恐怖が襲ってきて、「もう辞めたい・・・」と逃げ出したい気持ちを必死に抑える日々が続きました。そんな中、今までと違ったのは、菜々が僕の手を引っ張って、計画を前に進めてくれたことでした。

「失敗したっていいじゃん。でも、始める前に失敗したと言ってやめるのは止めようよ。」

そう言って、僕を励まし続けてくれました。そんな彼女は2年間、研修と勉強を続けていた「カフェバー」の看板は一旦下ろし、平日働ける場所を探しています。そんな彼女を送り、ぽつんとパソコンの前に向ったとき、ふっと、

「ああ、僕は自分の足で立ちたくて、ここに来たんだ」

そう思ったら、涙があふれてあふれて・・・。

僕たちは、そんなに大きな夢とかは持っていません。非電化工房やカフェ・クリキンディーのような場所で研修もしましたが、電気の無い生活や無農薬・無添加の生活を送りたいわけでもありません。ただ、小さな「場」を創りたい。そこから、1つ1つ小さな自分たちの生活を積み重ねて生きたい。今はただ、それだけです。これからも悩みは尽きないだろうし壁もたくさんあると思うけど、2人で力を合わせて、「もらう人」から「与えられる人」になっていきたいと思います。

さようなら、甘えん坊の僕。今までありがとう、金沢。
ここで僕たちがちゃんと自分の足で立てるようになったとき、いつか、金沢に戻ってきます。

・・・すんません。最近こんなのばっかりで。だけど、やっと、胎がくくれてきました。

感謝!コスギマサユキ

2 件のコメント:

  1. 応援してるよ!私たちも、きっと沢山の人が。ゴールだと思っていたところが以外と出発点だったりして、でもそこからどこに向かって行けばいいか分からなくなる気持ちは分かるよ。でも何事も経験になって、次に繋がっていくから、勇気を持って。最高のパートナーと自分を大切に、笑顔で過ごせるだけでもすごい大きなことだよ。
    sophia

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  2. ソフィア、ありがとう!
    菜々の存在は本当に大きいです。いつも心から感謝できるように、まず僕自身の機嫌を日々良くできるように、心に愛と感謝を持って生きたいと最近強く思います。ゲストハウス計画は3歩進んで2歩下がるような毎日だけど、多くの学びがあってありがたい、ね。(^-^)r
    いつ頃アメリカから帰ってくるの?4月からは入居できると思うので、野尻湖に帰る前に一度遊びに来てね。

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